DX化よりまずはデジタル化 病院介護現場の業務改善について
医療DX,病院DX,介護DXなどよく見かける〇〇DXですが、多くの病院や介護施設ではDX化よりも仕事の環境整備と必要なポイントに対してデジタル化からスタートするべきだと考えています。
DX化とは?デジタル化とは? 2つの違いについて
DXとは、(デジタルトランスフォーメーション)の略。デジタル技術の活用を通して生活やビジネスを変革することです。デジタル化はその名の通り、アナログ業務をデジタル技術を使って業務の効率化を図ります。
デジタル化は、DXを実現するための手段となります。いわば、DXの準備みたいなものです。紙で記録していた情報をデジタル化することは、業務の一部をデジタル化しただけでDX化したとは言えないです。その先に患者利用者の価値向上に繋げていくことが医療介護のDX化といえます
経済産業省ではDXを以下のように定義しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
自院、自施設はDX化する準備が整っているのか?
普段紙記録で、紙のタイムカード。予約は直接か電話のみで、お知らせは掲示板に貼っているとしましょう。ここで、DX化と言って「競争上の優位性を確立して、患者のメリットを創出する」と進めていきます。やり方を間違えば現場も患者も混乱することでしょう。
記録はデジタル記録に、タイムカードはクラウドサービスを導入。オンライン予約システムを導入し、ホームページとSNSで情報発信を始めす。極端なケースですが、やっていることは特に間違っていません。様々なデジタル化を経てDXへと繋げていきます。ただ、コストもですが現場の理解も必要です。
導入は簡単だが、運用の継続が難しい
DX化は目的として、デジタル化やIT化を手段と捉えてみましょう。手段は色々ありますよね?勤怠管理をデジタル化しようと思えば、複数のツールが検索位結果に引っ掛かります。私がよく扱うサイボウズ社のキントーンでも勤怠管理は可能です。
システムの導入は簡単です。サービスのコストと導入のコストを払えば簡単に導入できます。「導入できたからあとは大丈夫だろう」という考えは間違っています。重要なのは導入後、現場でしっかり運用が定着しているか?継続できる状況かということです。導入してからがスタートで、導入は準備と考えた方がいいでしょう。
目的をしっかり定めたDX像があることで、デジタル化が進められる
DXだ!と訳もわからず動くと後に残るのは導入したけど使っていない、使えないサービスやツールの山と肥大化したコストだけ。
タイトルにした「DX化よりまずはデジタル化 病院介護現場の業務改善について」これの意味は、業務改善を考える時DX化だけ考えても意味がない。既に様々な業務をデジタル化している場合、それらの情報を連携したり統合したりすることで、必要な動きを導き出したり情報を還元することで多くのメリットをもたらす可能性があります。そういった状況にいまあるのか、そういったことが実行できる職員が今いるのか?
DX化に憧れるのはいいですが、今の立っている位置を読み違えるとコストと時間を無駄にするだけですのでご注意ください。