キントーンは未来予測が苦手?予測値の作り方
今回は、キントーン(kintone)内にあるレコード情報を用いて、将来未来の在庫数や稼働数を把握する方法をご紹介します。標準機能で足りない部分は、CustomineのjobRunnerを用います。
kintoneで予測資料を作るには、手間と時間がかかり過ぎる?
未来予測グラフを作ってみよう。エクセルだとこんな感じでしょうか?
稼働や在庫管理をするために日々数を入力する。月別にシートを分けているので、新しい月が始まる前に準備が必要なんてことないですか?
作成は簡単なんですが、それぞれの情報をあとで集計したいとかになると色々と工夫が必要ですね。ではkintoneは簡単かと言うと、そもそも標準機能ではできません。
自動で別日の稼働計算ができないkintone
kintoneでグラフのようなアプリを作ってみました。
簡単にアプリは作れるのですが、kintoneの標準機能ではできないことがあります。
- 自動で別日数値の計算をやり直すことはできない
これは、未来予測をする上でかなり致命的なんです。ルックアップという別のレコードにある値を参照する機能はありますが、標準機能では手動取得。4月1日の値を変更したら、4月2日に4月1日の値をルックアップで取得する。そしたら、4月3日のレコードで4月2日の値をルックアップで・・・
そもそも、このアプリの方法だと別のアプリに入院や退院情報を入力している。もしくは別のシステムで管理していて、そのシステムの画面見ながら打つとかインポートしている前提なんですね。kintoneで入退情報を管理しても同様で、未来予測とはいきません。
kintoneには定期レポート機能がある?
定期レポートは、アプリのデータを定期的に集計し、集計結果を記録する機能です。毎時、毎日、毎月など、一定の間隔でアプリのデータを集計し、記録します。
記録された集計結果は、あとから確認できます。また、集計結果の時系列の変化を確認することもできます。
過去30回分までの集計結果が保持され、それ以前の集計結果は破棄されます。
なにができれば、kintoneで未来予測ができるか?
では、標準機能にない機能が実装できたとして、何ができればkintoneで未来予測ができるか考えてみます。未来予測ということなので、今日以降の記録を更新する必要があります。今日の数値が変われば、自動で今日以降の数値を再計算できれば未来の稼働や在庫を予測することができるはず。
あとは、更新するタイミングが定時更新なのかリアルタイムで更新するのか?記録は自動で作成されるのか既に作成されたものを更新するのかで運用が変わってきますね。
それでは、上記の機能をkintone連携サービス”Customine”で実装してみましょう。
定時にレコードを更新して、未来予測するカスタマイズ
kintone連携サービスCustomineについては、いくつか記事を書いていますのでそちらを参照ください。
ノーコードでkintoneをカスタマイズできるのですが、カスタマイズを実行するタイミングも手動実行、定時実行、リアルタイム実行など様々な選択肢があります。
今回は、定時実行でカスタマイズを設定していきます。
Customineで今日の稼働数を把握してみる
まず、定時実行やWebhook(リアルタイム実行)の場合、カスタマイズを設定したkintoneアプリに接続設定を行う必要があります。今回は、日々の記録を保存している”入院退院管理アプリ”と、稼働予測値を入力した”Customine稼働管理NEW”2つのアプリを設定しておきます。
次に、今日時点の必要な値を取得します。稼働管理をしたいので
- 本日入院の患者数
- 本日退院の患者数
- 本日の入院患者数
それぞれに該当するレコードを取得します。
取得したレコードが、それぞれ何人なのかを集計します。
行数をカウントして、本日の入院者数や退院者数が分かったところでその数をkintoneに反映させます。アプリには予め日付だけが入ったレコードを作っています。= touday()で今日のレコードを見つけて、フィールド値をセットします。
明日の稼働予測値をCustomineで計算してみる
今日の稼働値が分かったので、明日の入院予定者数と退院予定者数が分かれば明日の稼働が自ずと分かりますよね。
今日の入院者数+明日の入院予定者数-明日の退院予定者数=明日の入院者数
稼働じゃなくて、在庫でも同じですね。では、先ほどの続きからやっていきましょう。
明日の入院と退院予定レコードを取得し、その行数をカウントします。
次に更新したいレコードを取得します。日付 = FROM_TODAY(1, DAYS)で明日の記録レコードを把握します。そのレコードに対して、入院予定数や退院予定数を昨日の稼働情報で計算した値をセットする。これを繰り返せば、何週間先でも予測値をkintoneにセットすることが可能です。
標準機能でできないことをやるか、やらないか
可能であれば、kintoneの標準機能でやりたい。でもやれないことは多々あります。それでもやる必要があるのか、コストに対して見合っているのか?保守運用はできるか?
色々と考える必要がありますね。
Customineはノーコードで便利ですが、設定方法はある程度知識としてもっていないとカスタマイズを組むことは難しいと思います。以下の情報を参考に導入検討してみてください。
Customineは独学でも理解できるように、学ぶコンテンツが盛りだくさんです。
gusuku Customineできることカタログ
有償ですが、1日研修も開催されています。
キントーンキャンパス kintone連携 gusuku Customine
別のkintone連携サービスでも試したりしているので、ご参考までに!