kintoneでデイサービス記録や実績突合システムアプリを作る

以前デイサービスに利用できるのではないかと考え、一度アプリについて書いたことがあります。以前のアプリでは、利用者ごとにレコードを作成するという手間がありました。

今回はワンクリックでレコードを追加しタブレットなどで記録もできる。最終的にCSVでデータを抽出し、実績突合に使える資料にしてしまう「応用編」をご紹介します。

目次

kintoneアプリで実現したい介護事務

  • 問い合わせ管理
  • ケア記録
  • 国保連請求

全てをシステムで管理している事業所であれば今回のkintoneアプリは必要ないと考えます。

  • 問い合わせ管理はエクセル
  • 記録は紙
  • 請求はシステム

って事業所も多いかと思います。特に記録は紙のところが多いのではないでしょうか?

管理人がデイサービスの相談員していた時は、紙とパソコンの混合といった感じでした。

  • デイサービス登録者管理アプリ
  • デイサービス記録アプリ
  • デイサービス記録一覧アプリ

というkintoneアプリを作成していきます。

新規申し込みが来たら「デイサービス登録者管理アプリ」にレコード登録。日々の記録は「デイサービス記録アプリ」

デイサービスの記録は曜日ごとにアプリを作るので、加算算定などの数値の確認は一旦「デイサービス記録一覧アプリ」にまとめて集計してみました。

kintoneでデイサービス登録者管理アプリを作成

デイサービス登録者管理アプリは、

  • 新規相談
  • 利用中
  • 利用終了

等の管理を行うアプリです。デイサービスを検討中で、まだ利用には至っていないケースもあれば、介護施設へ入所され、デイサービスの利用は終了となる方もいらっしゃいます。全体の登録者数から、実際利用している人は何人いるのか?登録数が少ない曜日はないか?そういった数値の管理もグラフを用いて一発管理!

このデイサービス登録者管理アプリの情報を元に、デイサービス記録アプリに使用するレコードを作成します。

フィールドには普段利用している介護情報を反映させる

デイサービス登録者管理アプリでは、

・基本情報
・提供情報
・加算情報

3つのグループで構成されています。

基本情報は利用者情報

基本情報は

状況、NO(ID)、氏名 等のフィールドを配置しています。

状況に関しては

  • 問い合わせだけ
  • 体験利用を希望している
  • 利用中
  • 利用終了

などレコード(利用者)ごとの状態をドロップダウンで選択できる様にしています。デイサービス登録者アプリから、現在利用中の登録者のみをデイサービス記録アプリでレコードの情報を使用できるようにしたいので、状況を条件として利用できるようにしておきます。どうしても、体調不良や介護老人保健施設に入所された場合、状況を「中断中」としておけば、デイサービス記録アプリに反映されないようにしたいのです。

No(ID)に関しては、プラグインで自動的に番号を振り分けるようにしています。

番号を振ることで

  • デイサービス登録者アプリ
  • デイサービス記録アプリ
  • デイサービス記録一覧アプリ

という3つのアプリで共通したID(利用者管理番号)を用いることが出来ますので、情報検索がスムーズになると考えられます。ライトコースの場合、自動採番プラグインを利用できません。手入力で数値フィールドにID番号を入力し、値の重複を禁止しておけば同じIDを持つ利用者レコードが作成されないようにできると思います。

レコードの操作性を向上させるために、きっとすまいる新聞さんで紹介されている
Kintone用 JavaScript 第1弾「タブメニュー」を使用しております。

提供情報はサービス提供状況が分かるようにする

提供情報には、

「何曜日に利用する?」
「サービス利用の時間帯は?」

といったサービス提供に関する情報フィールドを配置しています。

今回は
サービス提供単位
6~7時間
サービス提供時間帯
9時30~16時30
を基本の情報として入力しています。

2単位以上を採用している事業所や曜日によって提供時間が代わり利用者がいる場合はこちらで変更します。また、体調不良で途中帰宅するケースや、朝送迎者が到着した時間(サービス提供が開始された時間)夕方送迎者が出発自他時間(サービス提供が終了した時間)等変更が必要な場合はデイサービス記録アプリで簡単に変更できます。

加算情報は施設にあった形で作成

今回は要介護の方を対象とした加算をフィールドとして配置しています。加算の種類によって表示する場所やドロップダウンの内容を変えています。

加算に関しては、デイサービス記録アプリで修正し、月初に先月分の記録をCSVで抽出する。デイサービス記録一覧アプリに抽出したCSVを読み込ませて実績確認という流れなので、加算関係はしっかり設定しておきたいですね。

デイサービス記録アプリとの連携で必要な設定が、曜日ごとの一覧を作成すること。
入所の場合曜日によって入所している人が違うということはありませんよね?

訪問系や通所系は曜日によって利用される方が変わってきますので、曜日ごとの一覧を作成しておきます。

kintoneでデイサービス記録アプリ作成

デイサービス登録者管理アプリで登録されたレコードを元に、日々の記録を出来るだけ簡単・スマートに入力が行えるよう

  • ワンクリックで当日利用する利用者のレコードを作成
  • EXCEL風に入力することで業務の効率化
  • 加算内容を記録することで、最終的に実績突合時の参考データに

上記3点を実現するためのアプリとなっています。デイサービス登録者管理アプリから、プラグインを使って名前や加算の情報は既に入力された状態でレコードが作成されます。(後程書きます)

デイサービス記録アプリでは食事や水分量、排便の有無などを入力するフィールドを配置しています。

ポイント1 レコード登録補助

実はこのデイサービス記録アプリ・・・曜日ごとに存在しています。そう7個アプリがある(月〜日)登録者管理アプリの月曜日一覧には月曜日に利用を予定している利用者が一覧として表示されるように設定されています。

曜日ごとのレコード一覧をTIS様一覧レコード集計/コピープラグインを使って、記録アプリ(今回は月曜日)に利用予定のある方のみレコード登録を実行します。日付フィールドには、レコード登録時の日付を初期値にする様設定していますので。

出勤時に、当日の曜日記録アプリを開いて、(月曜日出勤したら、デイサービス記録アプリ 月曜日)「〇〇曜日からデータを取得ボタン」を押せば自動的にレコードが登録される仕組みです。

また、よくあるのが「明日に振り替えたい」というケース。これも、当日の記録ではキャンセルをしておき、振り替えたい曜日にあらかじめレコードを登録させておけば良いでしょう。

振替日には元々利用予定のレコードがワンクリックで自動的に追加され、振替の方のレコードも消えずに登録されます。

ポイント2 キャンセル入力

では、月末に翌月のサービス提供予定表が届いた際、ショートステイの予定などを事前に入力できないのか?サービス提供表が揃った時点で一ヶ月の予定はたちますからね

レコード登録時の日付を初期値にするという設定をしているので、基本的に当日記録は当日レコードを追加します。引き出しの少ないキンボウズが考えた対処方法としては、

  1. 通常通りレコードを登録する
  2. プラグインを使用して日付を一括変更する
  3. 一括編集一覧で利用者をID等で検索してキャンセル処理しておく

ただ、この場合月末に翌月分(約30日分)利用日の数レコードを登録しなければなりません。

面倒くさいですが、結局ショートステイ等の休みの管理はしっかりとしておく必要がある
(忘れていてお迎えに行き本人さんがいない・・・というデイサービスあるある)ので上記の方法もありかもしれません。

あとは、曜日ごとに記録アプリを作っている為、アプリの説明欄を有効活用して、曜日ごとの確定している利用者の休み予定を入力しておくことでも対応できるかもしれません。

送迎予定等を一気に1週間分作成するから1週間分必要となれば一気にレコードを作成できればいいですが、レコード登録時の日付を初期値にしています。4月1日(月曜日)に1週間分登録した場合。月曜日以降の日付に関して手入力やプラグインを用いて変更する必要がありますね。

Google Map API 取得できる環境であれば、プラグインを使って当日利用予定の利用者さんの住所情報を元にプラグイン等で地図上に利用者宅の位置を表示させる。そうすることで送迎を組む際の補助になと考えます。

ポイント3 エクセル風入力

レコードをワンクリックで入力出来たとしても、記録を入力する作業でレコードを1人1人開き入力する。レコード一覧画面からレコード詳細画面に移動し、レコード編集ボタンを押してから編集して保存ボタンを押すという流れを簡略したい。

プラグインでエクセル風に出来る為、パソコン画面で入力してもいいし、タブレットを使って入力することも可能です。

〇TIS様 一覧画面編集プラグイン

一覧で確認できるので、入力漏れなども確認しやすいことと、プラグインの組み合わせ次第。

体温が37度以上ある為再検対象者は体温を表示する欄の背景を赤くするなど,どんどん使いやすくすることが出来ると思います。

レコード一括登録に関しては、キンスキ.comさんで紹介されていた記事、介護施設の日報を改善(前編)プラグインで実現する、二重入力を無くす報告システムを参考にさせていただきました。

また、保育園で利用できるのでは?ってアプリも作成してみました。
こちらに関しても、キンスキ.comさんキンスキラジオVol.11で紹介してもらいました。

これで、デイサービスの利用者情報の管理と、日々の記録を入力する業務に関してはkintoneのアプリである程度賄えるかと思います。勿論個々に細かい設定が必要かと思いますが・・・

水曜日に出勤しました、先週から新規で利用されたAさんの先週のデイサービスの様子がどうだっのか、先週の記録を見たいと考えました。その場合、デイサービス記録アプリ(水曜日)の一覧に先週記録という一覧を作っていますのでそこから確認できます。最後に少し面倒な作業はありますが、各曜日の記録を1つのアプリにまとめて、月初に行う請求業務で行うであろう提供表との実績突合に使えるデータを作成していきましょう。

デイサービス記録 一覧アプリ

月曜から日曜までのアプリに蓄積された情報をデイサービス記録一覧アプリにまとめていきます。

月曜日から日曜日まで全ての曜日でデイサービスの営業していた場合、デイサービス記録アプリが7曜日分存在することになります。関連レコードを使えば、1画面に7曜日分の情報が確認できますが、記録の検索や各数値の集計を取る為には1つのアプリにまとめた方が良いかもしれません。

各曜日のデイサービス記録アプリには一覧に「先月データ」という一覧を作成しているので、月始めには先月分のレコードが全て表示されます。表示された画面でファイルに書き出してCSVデータとしてデータをkintoneから書き出します。

次に書き出した曜日ごとのデータを記録一覧アプリに読み込ませるだけです。あとは、利用者ごとにIDを振っているので、デイサービス記録一覧アプリのアプリ内検索でIDを検索する。名前でも検索できますしね。

TIS様一覧テキスト絞り込み検索プラグインを使って一覧画面上部に検索窓を作って検索しやすくする等して記録を確認できます。

ポイントは一覧集計プラグイン

先月データを確認して、

  • 月に何回入浴したのか
  • 個別機能訓練加算の算定回数は?
  • そもそも何回利用したのか?

上記の様な情報を、ケアマネジャーから送付されたサービス提供表を確認して計画通り利用されたのか、休みで聞いているのに、入力ミスで利用とkintone上でなっていないかを確認したい。

そして、出来ることなら担当ケアマネジャーに月間利用報告書等の資料を作成送付している事業所もあると思います。ここに関しては、導入している介護ソフトで用紙として実績を印刷できると思います。

〇書類を作成する際に、血圧や食事量の平均等を知りたい

上記の数値を一発で表示できるように設定してみました。これでもかと言うくらい活用させてもらっていますTIS様一覧集計プラグインを利用すると・・・

下記の画像の様に表示されているレコードで数値に関しては合計や平均等のデータを自動で表示してくれます。

この画面と提供表を見ながら実績突合したり、ケアマネジャーへの報告書を作ることも出来るのではないでしょうか?

kintoneデイサービス実績確認画面

アプリ利用イメージ(youtube)

kintoneデイサービス記録突合

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