病院介護施設が業務改善を成功する方法はやめること
医療現場でも、介護現場でも日々業務改善に取り組まれていると思います。本来であれば、時間を気にせずに医療介護サービスを提供できる環境が望ましい。しかし、勤務である以上は時間を意識する必要があります。
この記事では、直接的な業務ではなく間接的な業務、つまり医療介護従事者の事務作業を軽減することに焦点を当てて書きます。なにか参考になる文章があれば幸いです。
無駄な集計、無駄な資料作成をやめる方法
事故報告書やヒヤリハットの報告書、会議の議事録に研修のアンケートなど医療介護現場では日々記録に加えて集計を求められる業務が多々あります。PCで作成されていたとしても、紙で提出する配布する。
紙の運用は既存の流れを変える必要がないので楽に感じるかもしれません。ただ、配布にも回収にも集計にも人の手間がかかります。この部分から業務改善を行うだけでも、大きな変化が期待できます。
事故報告書や会議の議事録など、基本はExcelやWordに入力して印刷。印鑑を押して上司に提出という流れだと思います。この流れを2つのパターンで変えてみます。
報告書や議事録の作成集計はクラウド上、提出は紙運用
クラウドツールを活用する考えた場合、1から10まで全てクラウドでないとダメだ。と思っている方も多いですが、そんなことはありません。クラウドにすることが目的ではなく、業務負担を軽減するなど別に目的があるはずです。途中から紙の運用でも、現場がやりやすいとか、コストの関係上でも私は何の問題もないと思っています。
まずは動くことが重要
入力する場所をクラウド上に作成する。作成できたら印刷して回覧なり提出する。各PCに保存しておくと、集計や管理が大変ですが、クラウド上であればそのまま集計作業を自動化させたり、報告書の検索も容易となります。
提出される書類が多くて、集計作業や集計結果を資料にまとめるのが大変。毎週毎月開催されている会議のために、数時間資料作成で時間が消える。あるあるだと思いますが、入力する場所とルールを決めておけば、集計も資料も自動で作成することも可能です。
資料が大切でしょうか?資料から分析して、次の行動を選択することが大切ですよね?
検討する時間を作るためにも、集計や資料作成時間の短縮は大きな医療介護現場の業務改善につながると考えます。(本当に、作らないといけない資料が多いですよね・・・)
サイボウズ kintoneは、マウス操作で直感的に自社に合ったシステムアプリが作成可能なサービス。多くのサービスと接続可能で、拡張性の高いサービス。
提出資料作成から提出までをクラウド上で完結
課題となるのはユーザー数
報告書の作成から、確認決裁差し戻しなどを全てクラウド上で行うことになると、職員全員分のユーザー契約が必要となります。kintoneスタンダードコースの場合、1000人契約で17,640,000円(税抜)毎年1,740万は大きな金額に見えますが、一人月額にすると約1,500円となります。
業務負担が軽減されるのであれば、職員一人一人にサブスク型のサービスアカウント付与は効果的ではないでしょうか?
と言っても、どうにかコストを抑えたい。
承認をする役職にアカウントを付与して、それ以外の職員や常にログインする業務がない場合、外部フォームに入力した情報をデータベースに保存させてワークフロー運用を行うことも可能です。
サイボウズ製品の場合、通常価格とは別に、特別なライセンスが提供されています。
NPO法人など、非営利団体向けなど
「チーム応援ライセンス」
学校などの教育機関や保育園など
「アカデミックライセンス」
社会福祉法人や独立行政法人など
「ガバメントライセンス」
保護者との情報共有など
「スクール&ペアレンツライセンス」
医療介護福祉と考えてみると、活用できるライセンスもあるかと思います。
導入支援や開発にコストがかかる場合もありますので、活用できるものは積極的に活用するべきです。
「今までやってきた」を積極的にやめること
業務改善支援として介入する際「この業務は今までずっとやってきた」と言われることがあります。
- 何ためにやっているのか?
- 作成した資料はどこで活用しているのか?
この2点を聞くと、少なからず「やらなくてもいい業務」を見つけることができます。
私は参加しないけど、会議で必要なんです。
一時的に議題として焦点が当たって資料を要求されることありますよね?「来週からこのデータを資料に入れておいて」そして、解決してからもとりあえず載せておく
その積み重ねが、データを報告するだけの会議が増える原因ではないでしょうか?資料が多く、報告するだけで会議の時間が終了する。報告だけの会議であれば、資料共有で十分です。
会議の目的を明確にしておく必要がありますが、なかなか普段そういった視点で考えることは難しいです。
だからこそ、「今までやってきたこと」を疑ってみる。
資料が自動作成できれば、会議までに資料を確認可能な仕組みづくりをしておけば、きっと意味のある会議になるか、会議自体が無くなるか。
大抵の業務はやり過ぎている。資料は作り過ぎているし、報告も多すぎる。アンケートの項目は多すぎるし、提出書類も確認書類も多すぎる。まずは1つ面倒くさい業務をやめるために動いてみませんか?
現場でも変更できる医療介護現場の業務改善
ノーコード、ローコードという言葉が広まってきています。
ノーコード
ソースコードの記述をせずにWebサービスやアプリなどのソフトウェアを開発できるサービスや手法
ローコード
少ないソースコードで、アプリケーションを迅速に開発できるサービスや手法
今までだったら、システム担当を雇うか外注する。少しの変更も現場ではできず、担当者が来るまで待つしかなかった。欲しい機能がなければ諦める。それが、専門スキルがなくても直感的に・・・とはいきません。
ノーコード、ローコードでもスキルも知識も必要です。覚える量も少なくはない。
しかし、皆さん既に色々なツールを使いこなしていませんか?GmailやYouTubeなど普段使っていますよね?1からシステムを開発するとなれば覚えることもは膨大ですが、サービス1つのルールを覚えるだけである程度の仕組みが作れる。
強調しますが「ある程度」です。
オーダーメイド、欲しい機能が全て詰まったものは高いです。オーダーメイド服と既製品の服。同じメーカーが作成したら、オーダーメイドの方が高くなるのと同じです。
ちょっと便利、これはすごく便利、そういった感覚でノーコードローコードを試して欲しいです。
医療介護従事者が扱えるようになれば、現場の課題をを現場に沿った形で解決できます。
書いている私自身、元々介護職→相談員→地域医療連携室、経営企画室といった経歴です。
業務改善支援する際、理学療法士の方や看護師の方など様々な職種の方と一緒に課題抽出から設定支援と教育を行なっています。職種や経歴関係なく、実行できるんです。
徹底的にスモールスタートを心がける
全部署一斉導入、システム総入れ替え
まずは、一番課題を感じている部門からスタートしましょう。
地域医療連携室の問い合わせをデジタル管理しましょうか?事故報告書やヒヤリハットの集計を自動化しましょうか?職員の健康診断やワクチン予約システムを作ってみますか?
これを全て同時にやると、時間とコストがかかりますよね?失敗する可能性もあります。
病院の業務改善、介護施設の業改善をしたいとアナタが思っていても、周りはどうでしょうか?予算も人員も割いてくれる環境ですか?
まずは成功事例を作る必要があります。
なるほど、自分の部署もやってみたい。共感するメンバーが必要です。焦る気持ちはわかりますが、わたしも一人で走って失敗した経験があります。まずは周囲を見渡して、仲間を探すところから始めて欲しいです。
最後に今まで私が関わってきた業務改善を紹介しているリンク先をいくつか貼っておきます。何かしら参考になれば嬉しいです。